ニートにハーブティーは要らない

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よく深夜に更新します

ごみを拾って届けたら変なあだ名がついた日

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みなとみらいは風が強すぎる。海風とビル風がびゅんびゅん吹いてて、うちの母親(もたいまさこ似)はメガネを軽く15メートルは飛ばされた。「メガネメガネ」って言いながら、腰をかがめてよたよた歩いてく母を見てたら、なんか無性にさみしい気持ちになってわたしもやけくそみたいに「一瞬の風になれ」って感じでメガネを追いかけた。

 

そんなわけでみなとみらいはわりとあらゆるものが風に舞ってる。風に舞い上がるビニール袋にシンパシーを感じてぐっとくる人って案外多いみたいだけど、みなとみらいに来ればいくらでも見られますよ。都内のカップルが毎週末気合い入れてのこのこと繰り出してくるみなとみらいに、あえてビニール袋見物に行くというのも案外乙なもの。

 

ビニール袋をぼーっと眺めてるわたしに、立派なひとは「拾えよ」とか言うかもしれないけど、わたしは結構拾う派で、そのせいでこないだ妙なシチュエーションになった。

 

例のごとくわたしはみなとみらいで友達とぶらついてて

「あそこ昔パレタスだったよな」とか

「かもめが風に身を任せてめちゃくちゃ楽してる」とか言いながら思考力停止状態で歩いてたんだけど

 

急に近くにいた木南晴夏みたいな女性が

「ああっ」と叫んだ

 

「!?!?」と思って振り返ると、ソフトクリームのコーン部分を押さえる紙みたいなのが、女の人の手をするっと離れて舞い上がっていた。

 

あんまり迫真めいた感じで「ああっ」とか言うから、わたしも自然と体が動いて一心不乱に舞い上がる紙屑を追いかけたんだけど、風にあおられて結構遠くまで行くから追いかけてるうちに妙な気分になってきた。常々走り方ダサすぎといわれるわたしが、みっともない姿さらしながらごみ追いかけてるのってなかなか憐れみを誘うシチュエーションだったと思う。

 

ごみ落とした人と、友達は普通に突っ立たままだからなんかわたしだけがんばっちゃった感じになっちゃって、ちょっと笑いそうになった。

 

やっとのことでごみを掴んで引き返すとき、いろんな思いで頭が混乱した。

 

ごみ拾ってわざわざそれをもち主にリリースしていいものか、とか

どんな顔をしてごみ片手に凱旋したらいいものか、とか

ごみを「はいどうぞ」ってやるひとってやっぱ頭おかしいんじゃないか、とか

小走りでごみを渡しに来るひとってやっぱ客観的に頭おかしいんじゃないか、とか

 

頭が混乱するうちに、木南さんのまえにずささっと到着して

(どうしよどうしよ)

と思いながらも、ごみをもった手をビーンと突き出していて

 

口をついて出た言葉は

「(こんなんで)いいんですか?いいんですか?」

だった。

 

その日わたしは「ラッドネキ」と呼ばれた。

 

 

いいんですか?

いいんですか?

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風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

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